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特集 臓器(組織)とアポトーシス
IAPの作用メカニズムと神経細胞死防御
著者: 高橋良輔1
所属機関: 1理化学研究所脳科学総合研究センター運動系神経変性研究チーム
ページ範囲:P.273 - P.278
文献購入ページに移動 「細胞の自爆」にたとえられるアポトーシスは,細胞内シグナル伝達によって引き起こされる能動的な細胞死である。最近のめざましい研究の進歩により,アポトーシスの実行過程は,アポトーシスを引き起こす因子(proapoptotic factor)と逆にそれを防ぐ因子(antiapoptotic factor)によって巧妙に調節されていることがわかってきた。Proapoptotic factorの代表的な分子はカスパーゼ(caspase)と呼ばれるシステインプロテアーゼである。一方,antiapoptotic factorの分子ファミリーであるアポトーシス阻害タンパク質(inhibitor of apoptosis protein;IAP)は,その多くのものが内因性のカスパーゼ阻害因子であることがわかりつつある。
本稿ではまずIAPの構造,機能,アポトーシス抑制メカニズムに関して概説する。次にとくに神経系に焦点をあて,IAPによるニューロン死防御について最新の知見を紹介する。
本稿ではまずIAPの構造,機能,アポトーシス抑制メカニズムに関して概説する。次にとくに神経系に焦点をあて,IAPによるニューロン死防御について最新の知見を紹介する。
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