icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学51巻6号

2000年12月発行

文献概要

特集 機械的刺激受容の分子機構と細胞応答

機械刺激による細胞のリモデリング―SAチャネルと接着斑蛋白質チロシン燐酸化

著者: 曽我部正博1 成瀬恵治1 河上敬介1 辰巳仁史1

所属機関: 1名古屋大学大学院医学研究科細胞生物物理学

ページ範囲:P.549 - P.555

文献購入ページに移動
 機械刺激に対する細胞応答の機構を探るには,まず機械受容体の特定が必要である。現在細胞の機械受容体として正体が明らかになっているものは機械受容(SA)チャネルのみである。この中で,最もポピュラーで生理的に重要なのはCa2+透過性SAチャネルなので,当面はこのチャネルが主なターゲットになる。このチャネルをめぐる最重要課題は,分子実体と生理機能の解明である。ここでは後者にかかわる研究を紹介する。具体的には,機械刺激の受容から細胞応答に至るシグナル機構の解析である。まず,どのような対象を選ぶかが最初の問題である。生体中における機械刺激の性質が明瞭で実験的に再現できること,そして,それに対する細胞応答の生物学的意義が明瞭であることが望ましい。さらに欲をいえば,機械刺激に特有の面白さを備えたシグナル機構であれば申し分ない。このような条件を満たしている,周期伸展刺激に対する血管内皮細胞のリモデリング(形態再構築)のシグナル機構について,われわれの研究を中心に紹介したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?