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特集 機械的刺激受容の分子機構と細胞応答
血圧による血管平滑筋DNA合成
著者: 川口秀明1
所属機関: 1北海道大学大学院医学研究科病態医科学講座
ページ範囲:P.572 - P.576
文献購入ページに移動 血管壁のリモデリングは血管壁間質の線維化および血管平滑筋の増殖・遊走によって起こる。血管平滑筋の増殖を促進させる因子としては多くの細胞増殖因子が上げられている。アンジオテンシンⅡ(Ang Ⅱ)はその中の一つであり,重要な因子として考えられている。流血中のAng Ⅱ濃度も重要であるが,血管組織のレニン-アンジオテンシン系(RAS)の亢進も重要な役割を担うと考えられる。血管壁組織におけるRAS亢進に作用する因子の一つとして圧刺激がある。心筋細胞を伸展させると,心筋内のAng Ⅱが放出されautocrine-paracrine機構によって細胞の増殖肥大が起こる。血管平滑筋細胞でも同様の機構が作用すると考えられる。
本稿では血管平滑筋DNA合成に関与する圧刺激によるG蛋白質および情報伝達系の変化と,血管壁RASのリモデリングにおける重要性に関して述べる。
本稿では血管平滑筋DNA合成に関与する圧刺激によるG蛋白質および情報伝達系の変化と,血管壁RASのリモデリングにおける重要性に関して述べる。
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