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文献詳細

雑誌文献

生体の科学51巻6号

2000年12月発行

文献概要

特集 機械的刺激受容の分子機構と細胞応答

骨細胞と機械的刺激受容機構について

著者: 小笠原愛智1 羽毛田慈之1 久米川正好1

所属機関: 1明海大学歯学部口腔解剖学第一講座

ページ範囲:P.584 - P.588

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 海の中で浮力に支えられていた動物は,進化の過程で,海から陸へあがる際,生体の支持体として強固に石灰化した内骨格系が必須となった。また海水によるミネラルバランスの調節も陸上では不可能となり,ミネラル調節の役割を石灰化骨基質が果たすこととなった。
 生体の重量に耐える骨組織は,ビルを形造るコンクリートに似て,無機的な印象を与える組織である。しかし,骨切片標本を顕微鏡で観察した時,骨基質中には無数の小腔(骨小腔)が存在し,その中に細胞がひっそりと息づいていることを知る。それが骨細胞である。無数の骨小腔は骨細管と呼ばれる微細な管により結ばれており,骨細管の一部は骨表面にも開口している。骨細胞はこれら骨細管を通じて細胞突起をのばし,ほかの骨細胞や骨芽細胞,bone lining細胞と結合することにより,骨組織全体に高度に発達した細胞間ネットワークを形成している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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