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文献詳細

雑誌文献

生体の科学51巻6号

2000年12月発行

文献概要

解説

新しい情報伝達蛋白質ファミリーの機能

著者: 兼松隆12 竹内弘12 吉村研治12 平田雅人12

所属機関: 1九州大学大学院歯学研究院口腔常態制御学講座口腔細胞工学 2九州大学コラボ・ステーション

ページ範囲:P.608 - P.613

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 I.Ins(1,4,5)P3認識蛋白質 細胞内の複雑な情報交換の伝達役の一つに,イノシトール-1,4,5-三リン酸(Ins(1,4,5)P3)がある。この分子は細胞外からの刺激に応答して,細胞膜の構成成分であるホスファチジルイノシトール-4,5-二リン酸(PI(4,5)P2)が,ホスホリパーゼCにより加水分解され細胞質中に向けて遊離されたものである。そして小胞体膜上のIns(1,4,5)P3受容体に到達するとそのチャネルを開き,小胞体内に貯蔵されているCa2+を細胞質中に放出させ様々な細胞機能を発揮する(図1A)。このようなIns(1,4,5)P3の機能が初めて報告されたのは1983年1)であった。Ins(1,4,5)P3誘発性Ca2+放出の分子機構の解明には多くの研究者が参画し,今日目覚ましく進展した細胞内情報伝達研究の推進力の一部となった。
 Ins(1,4,5)P3を認識する蛋白質には,当初Ins(1,4,5)P3受容体と2種類のIns(1,4,5)P3代謝酵素(Ins(1,4,5)P33-キナーゼとIns(1,4,5)P35-ホスファターゼ)の合計3種類が知られていた2-4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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