文献詳細
文献概要
解説
精神分裂病の最近の研究の進歩
著者: 丹羽真一1
所属機関: 1福島県立医科大学医学部神経精神医学講座
ページ範囲:P.75 - P.85
文献購入ページに移動 百年前の20世紀初頭に疾患概念が提起された精神分裂病schizophreniaは,今日の精神科医療の中においても患者数の多さと治療の長期化,患者個人が被る障害の広がりと強さ,疾患が及ぼす種々の経済的影響の大きさなどから見て,精神医学が解決を求められている最大の精神疾患であるといえる。概念提唱から数えて百年の間になされた精神分裂病研究により疾患解明に十分近づいたとは残念ながらいえないが,特に生物学的研究が進展したこの数十年間になされた研究は,概念提唱時には想像だにできなかった成果を生んでいる。
そこで本稿では精神分裂病研究の最近の進歩につき五つのパートに分けて概略を紹介したい。それは,Ⅰ.生物学的研究による疾患論,Ⅱ.病態の生物学的研究,Ⅲ.分裂病発病・再発機序の研究,Ⅳ.動物モデルによる分裂病研究,Ⅴ.分裂病治療薬の開発,の五つである。
そこで本稿では精神分裂病研究の最近の進歩につき五つのパートに分けて概略を紹介したい。それは,Ⅰ.生物学的研究による疾患論,Ⅱ.病態の生物学的研究,Ⅲ.分裂病発病・再発機序の研究,Ⅳ.動物モデルによる分裂病研究,Ⅴ.分裂病治療薬の開発,の五つである。
掲載誌情報