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文献詳細

雑誌文献

生体の科学52巻3号

2001年06月発行

文献概要

特集 脳の発達に関与する分子機構

鳥類神経系のパターン形成に関与するIrx遺伝子群

著者: 松本健1 小椋利彦1

所属機関: 1奈良先端大学院大学バイオサイエンス研究科動物代謝調節学講座

ページ範囲:P.210 - P.215

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 脊椎動物の脳は記憶,学習,情動などの様々な高次機能を生み出す究極の並列回路といっても過言ではない。このような複雑な脳も単純な神経板を原基として発生する。二次元に展開されていた神経板のシート構造は時間を経て三次元の神経管構造へと構築され,さらに屈曲,突出などの形態変化を遂げる。これらの過程は転写因子,成長因子,細胞接着因子などが細胞の増殖,分化,細胞死といった多様な局面を調節することにより成し遂げられる。特に前脳,中脳,後脳の前後軸にそった脳の領域化には位置情報を担う転写因子が重要な役目を果たしている。そのためわれわれはIroquoisと呼ばれる転写因子に着目し,ニワトリ胚にて機能解析を行っている。本稿ではニワトリのIroquois遺伝子Irxの機能を中心に,最近の中枢神経系のパターニングに関する知見もあわせて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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