icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学52巻3号

2001年06月発行

文献概要

話題

「知の遺伝子」国際ワークショップ報告記―サルの遺伝子探索から知を探る

著者: 貫名信行1

所属機関: 1理化学研究所脳科学総合研究センター

ページ範囲:P.252 - P.253

文献購入ページに移動
 3月14,15日にわたり「Genes and Minds lnitiative Workshop on Ape Genomics(GEMINI)知の遺伝子」国際ワークショップが理化学研究所ゲノムセンター,脳科学総合研究センター,国立遺伝学研究所共催で行われた。このワークショップは,ヒトゲノムの全シークエンス完了というゲノムサイエンスの到達点からさらに何をすればよりヒトを理解することができるのか,という問題意識に基づき,主にゲノム科学と脳科学の研究者が集まって意見を交換した。
 ヒトがヒトたる所以はやはりその知的活動能力であろうということから,ヒトの遺伝子をチンパンジーの遺伝子と比較することにより,知の遺伝子を同定できるのではないかというのがゲノムセンターの榊らの問題意識である。彼らはチンパンジーのゲノムのシークエンスを行うためにBACのライブラリーのマップを作成し,ショットガン・シークエンスを行う予定であるという。やはりゲノムセンターの藤山らは3,000のSTSに関してヒトおよび霊長類について検討し,およそ1-2%のSTSがヒト特異的であったという。遺伝研の斉藤らは類人猿ゲノム計画Silverを組織しており,ヒトとチンパンジーのヌクレオチドレベルの違いは1.5%,ゴリラは4%と見積もっている。こういった類人猿のゲノムを比較することによりヒト特異的な遺伝子の同定につながると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら