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特集 骨格筋研究の新展開
骨格筋における中間径フィラメントネットワークの分子構築―発生過程における再編成の分子機構,機能的意義そして筋疾患との関連性
著者: 土方貴雄1
所属機関: 1群馬大学医学部解剖学第二講座
ページ範囲:P.287 - P.293
文献購入ページに移動 アクチンフィラメント,微小管,中間径フィラメントの細胞骨格は多くの細胞にみられ,その形態は細胞によって様々である。また,これら細胞骨格は細胞分裂,遊走,分化の際に再編成される。アクチンや微小管を中心とした細胞骨格構造の分子構築や再編成のメカニズムに関しては,シグナルトランスダクションがらみで数多くの研究がなされているが,中間径フィラメントに関してはあまり多くない。中間径フィラメントの研究が進まなかった一つには,アクチンはアクチン結合タンパク質として数多くのタンパク質が同定されそれらの角度から多角的に調べられたのに対し,中間径フィラメントはその結合タンパク質として同定されているものが非常に乏しかったことが要因となっている。しかし,最近5年間で中間径フィラメントに結合するプラキンファミリーのタンパク質が同定・特徴付けられ新たな展開を示している1)。
プラキンファミリーのタンパク質は中間径フィラメントに結合するだけでなく,微小管やアクチンフィラメントにも結合する。実はこの新たな知見は数十年前の実験においてすでに予測されていた。微小管脱重合剤であるコルセミドで培養細胞を処理すると中間径フィラメントが核周辺に引っ込められケーブル状になることから,実体は不明であったが微小管と中間径フィラメントの結合性が考えられていた2-4)。
プラキンファミリーのタンパク質は中間径フィラメントに結合するだけでなく,微小管やアクチンフィラメントにも結合する。実はこの新たな知見は数十年前の実験においてすでに予測されていた。微小管脱重合剤であるコルセミドで培養細胞を処理すると中間径フィラメントが核周辺に引っ込められケーブル状になることから,実体は不明であったが微小管と中間径フィラメントの結合性が考えられていた2-4)。
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