icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学52巻4号

2001年08月発行

文献概要

話題

モノクローナル抗体とDNAチップを利用したプロジェクト

著者: 浜窪隆雄1 児玉龍彦1

所属機関: 1東京大学先端科学技術研究センター分子生物医学

ページ範囲:P.354 - P.356

文献購入ページに移動
●トランスクリプトーム解析とプロファイリング
 21世紀にはいって,ポストゲノム時代といわれ,生命科学がパラダイムシフトを起こして新たなステージに移行していく可能性が指摘されている。どのように変化していくのかはっきりとした具体的なイメージはまだ誰も描けていないが,コンピューターの進歩による情報処理能力の飛躍的な拡大と,ロボット技術やレーザー技術の進歩などがあいまって,これまでのように一つの遺伝子を解析することではなく,多数の遺伝子を一挙に解析する技術が現実のものとなってきている。
 ヒトゲノム解読によって,ヒト遺伝子が4万個足らずしかないという予測がなされた1)。数の上からすれば現在のアフィメトリックス社のジーンチップ上に乗っている遺伝子で人間の遺伝子がすべてカバーされてしまうことになる。つまり現在あるDNAチップの技術でヒト全遺伝子の解析が可能という計算になる。現状ではチップの単価が高いという制約はあるものの,どの遺伝子がどのような状態で発現されるかというトランスクリプトーム解析を一挙に行うことができ,これまで時間と労力がかかりすぎて不可能だった網羅的解析により,生命現象の新たなイメージが浮かび上がってくるようになった2-4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?