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特集 モチーフ・ドメインリスト 3.信号伝達
PIP3結合ドメイン
著者: 福井泰久1
所属機関: 1東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻
ページ範囲:P.432 - P.433
文献購入ページに移動 細胞内シグナル伝達系の研究は近年生物学においてもっとも華やかに研究が進んでいる分野である。その研究発展の一端を担ったのがタンパク質-タンパク質相互作用であり,その発端となったのがSH2(src homology domain 2)ドメイン,SH3(src homology domain 3)ドメインの発見で(稲垣の稿445頁参照),これを契機にタンパク質-タンパク質間の結合ドメインが盛んに発見されるようになった。これに平行して,非タンパク性のシグナル伝達因子の研究も盛んになり,本テーマにあるホスファチジルイノシトール3,4,5-三リン酸(PIP3)もその一つである。
ホスファチジルイノシトール(PI)は生体膜に存在するリン脂質で,五つの水酸基をもつ。おもに3位,4位,5位の水酸基がリン酸化,脱リン酸化をされ,それぞれが生理機能を持っていると考えられ,いわゆるイノシトールリン脂質というグループを構成している。PIP3はそのようなリン脂質のひとつであり,増殖因子や分化因子,ストレスなどの刺激により生成され,いろいろな細胞応答の引き金となる脂質二次メッセンジャーであると考えられている1)。
ホスファチジルイノシトール(PI)は生体膜に存在するリン脂質で,五つの水酸基をもつ。おもに3位,4位,5位の水酸基がリン酸化,脱リン酸化をされ,それぞれが生理機能を持っていると考えられ,いわゆるイノシトールリン脂質というグループを構成している。PIP3はそのようなリン脂質のひとつであり,増殖因子や分化因子,ストレスなどの刺激により生成され,いろいろな細胞応答の引き金となる脂質二次メッセンジャーであると考えられている1)。
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