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文献詳細

雑誌文献

生体の科学52巻5号

2001年10月発行

文献概要

特集 モチーフ・ドメインリスト 6.細胞骨格

フォドリン/スペクトリン結合ドメイン

著者: 高永博実1 国本学1

所属機関: 1北里大学薬学部公衆衛生学教室

ページ範囲:P.488 - P.489

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 スペクトリン(Spectrin)は,赤血球をはじめ,神経系など多くの組織に相同蛋白を持つ細胞骨格系蛋白質である。赤血球に多く発現するものを赤血球型スペクトリン,赤血球以外のものを非赤血球型スペクトリンといい,特に脳で同定されたものは,脳スペクトリン,フォドリン,カルスペクチンとも呼ばれている。スペクトリンは,一般にα鎖(分子量約24万)とβ鎖(分子量約22万)が逆平行で結合したヘテロ二量体,あるいはこの二量体がhead-to-headに会合した四量体(α2β2)で存在している。α,β鎖ともに3個のαヘリックスを含む,約106アミノ酸配列からなる単位を一つの分節とした,スペクトリンリピートを持っている。
 スペクトリンは赤血球膜において,アクチン,バンド4.1などの細胞骨格系蛋白質とともに六角形の格子を形成し,さらにアンキリン(Ankyrin)と結合することで膜にアンカーされ,細胞膜の裏打ち構造を構成している。また,フォドリンはアンキリンを介してN-CAMなどの膜貫通型蛋白質である神経接着分子と結合する。このように,スペクトリン結合蛋白質の中で,スペクトリンを膜にアンカーする際に重要な役割を果たしているのがアンキリンである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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