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文献詳細

雑誌文献

生体の科学52巻5号

2001年10月発行

特集 モチーフ・ドメインリスト

9.その他

アネキシンリピート

著者: 相馬仁1

所属機関: 1札幌医科大学医学部化学第一講座

ページ範囲:P.516 - P.518

文献概要

 [アミノ酸配列]1,2)
 アネキシンはCa2+依存的にリン脂質を結合し,また,アネキシン自身がCa2+結合蛋白質である。多くのアイソフォームが存在する(Ⅰから順番に番号が付けられている)が,C端側は相同な領域で,約70残基のアミノ酸が4回(アネキシンⅥでは8回)繰り返し,コアドメインと呼ばれる(図1A)。リン脂質・Ca2+結合部位は各繰り返しドメインに存在し,Ca2+結合にはエンドネキシンフォールドと呼ばれるコンセンサス配列(-Xaa1-Lys-Gly-Xaa2-Gly-Thr-),およびThrから38残基C端側に離れたGlu(またはAsp)が関わる。すなわち,Xaa1,Gly,Glyの主鎖のカルボニル酸素から各一対,Glu(Asp)の側鎖のカルボキシル酸素から二対,および溶媒中の水2分子から計7電子対がCa2+に配位する(EFハンドの結合部位をタイプⅠ部位と呼ぶのに対して,タイプⅡ部位と呼ばれる)。
 アネキシンが高親和性(結合定数10-8~10-3M)にCa2+を結合するためには,リン脂質(特に酸性リン脂質)の共存が必要で,リン脂質非存在下ではほとんど結合せず,またCa2+結合部位に変異を加えるとリン脂質結合が阻害される。特に,アネキシンⅣでは,N端から4番目のドメインのCa2+結合部位が,アネキシンⅠではN端から2番目がリン脂質との結合に重要であることが報告されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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