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文献詳細

雑誌文献

生体の科学52巻6号

2001年12月発行

文献概要

特集 血液脳関門研究の最近の進歩

血液脳関門の薬理学

著者: 岸岡史郎1

所属機関: 1和歌山県立医科大学薬理学教室

ページ範囲:P.541 - P.547

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 血液脳関門は生体異物の中枢神経系への移行を制限する生体防御機構のひとつであり,色素を静脈内に投与しても脳が染色されないことから明らかにされた。薬物の中には生体異物として認識され,血液脳関門が障壁となり中枢神経系に到達できないものがある。例えば,ロペラミドはオピオイド受容体作動薬であり,脳室内投与により鎮痛作用が惹起されるが,全身投与では脳内への移行は少なく中枢作用もほとんど認められないため,オピオイドの末梢作用である止潟薬として用いられている。このように,血液脳関門は生体異物から脳を保護しているが,中枢神経系への薬物移行が妨げられることによって中枢神経系の薬物治療に支障をきたすこともある。本章では,脳への薬物移行の観点から血液脳関門について概説する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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