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文献詳細

雑誌文献

生体の科学53巻1号

2002年02月発行

文献概要

連続座談会 脳とこころ―21世紀の課題

Ⅲ.脳における統合の仕組み

著者: 伊藤正男1 金子邦彦2 谷淳3 土屋俊4 宮下保司5 藤田道也6

所属機関: 1理化学研究所脳科学総合研究センター 2東京大学大学院総合科学研究科 3理化学研究所脳科学総合研究センター 4千葉大学文学部行動科学科 5東京大学大学院医学系研究科 6浜松医科大学

ページ範囲:P.45 - P.66

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 伊藤(司会) これまで二回にわたり脳とこころの関係を議論してきました。今の脳科学は,細胞,シナプス,受容体,遺伝子へと還元論的に脳に迫ってきましたが,今世紀は脳を複雑なシステムとして見直す時期だという感を強くします。しかし,脳は時計を組み立てるような単純なシステムではなくて,とてつもない,宇宙に匹敵するようなシステムです。そういうものをどうやって扱っていいかが実際にはよくわからないのですね。
 脳の複雑なシステムというと,脳全体の複雑なシステム構造という見方と,脳の一つ一つのブロックがそれぞれたくさんの要素からなる複雑なシステムという見方があります。今日は,この両方の立場から脳をみて,こころの問題にどう結びついていくかを議論していただきたいと思います。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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