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文献詳細

雑誌文献

生体の科学53巻1号

2002年02月発行

文献概要

実験講座

GFPを用いた分子間FRET

著者: 宮脇敦史1

所属機関: 1理化学研究所脳科学総合研究センター細胞機能探索技術開発チーム

ページ範囲:P.75 - P.81

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 分子間の相互作用を,FRET(Fluorescence Resonance Energy Transfer,蛍光のエネルギー移動)を使って観たいといって筆者を訪れる人々が少なからずいる。彼らはneurobiology,developmental biology,oncologyなどのバックグラウンドをもち,相当に勉強されている。いわゆるシグナル伝達マップをほぼ完壁に消化し,この分子とこの分子との間の相互作用が,生きた細胞で実際に起こっているかを確かめたいという。こういう相談を受けるたびに思うことがある。矢印の確認のためだけのイメージング技術はつまらないかも,と。先の人々の企図するイメージングが,注目する相互作用の時間的空間的特性についてわれわれの知見の幅を広げてくれることには違いはない。しかし,他の手段を使った実験結果からはまず見当のつかないような事実を明らかにするべきイメージングを目指してはどうか。であるからして,イメージング実験に臨んで遊び心をしのばせてみたい。これしか観ない,追わない,というのではなく,懐を広くして構えてserendipitous discoveryが生まれるよう工夫と努力をしてみる。筆者は,網羅的ないわゆるHigh-Throughputを目指したイメージングを推奨しているのではない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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