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特集 RNA
脳・神経系の選択的スプライシングと神経特異的スプライシング制御タンパク質
著者: 伏見和郎1 塚原俊文1
所属機関: 1国立精神神経センター神経研究所疾病研究第1部
ページ範囲:P.96 - P.102
文献購入ページに移動また,スプライシングアイソフォームが作られることがいかに重要かということに関しても,長い間の研究で徐々に知見が蓄積している。たとえば,trkBはニューロトロピン受容体ファミリーに属する受容体チロシンキナーゼであるが,チロシンキナーゼドメインを含まないスプライシングアイソフォームを持ち,チロシンキナーゼドメインを持つtrkBに対して,ドミナントネガティブに働く3)。また,スプライシングによる制御によって,多くの転写制御因子のDNA結合活性や,転写活性あるいは抑制活性が変化する4)。さらにスプライシングの異常が原因になる遺伝性疾患も見つかっており,スプライシングの制御が重要でいかに巧妙に行われているかという点で理解が深まってきているように感じ取られる。
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