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文献詳細

雑誌文献

生体の科学53巻2号

2002年04月発行

文献概要

特集 RNA

RNAエディティングに関与するタンパク―クロロプラストの例

著者: 杉浦昌弘1

所属機関: 1名古屋市立大学大学院システム自然科学研究科

ページ範囲:P.124 - P.130

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 RNAエディティング(編集)とは,前駆体RNAが機能を持つRNA分子になるのに,ヌクレオチドの挿入や欠失あるいは変換を受け,塩基配列が変わるような修飾と定義される。1986年にBenneがトリパノゾーマのミトコンドリア(キネトプラスト)でRNAエディティングの現象を発見した1)。チトクロームオキシダーゼのサブユニットⅡ mRNA配列に,ゲノムにコードされていないウリジン残基を4個見出したのが端緒であった。その後,ウイルス,原生動物,粘菌,哺乳類,植物のミトコンドリアやクロロプラストのpre-mRNAがRNAエディティングを受けることが知られるようになった。さらに,pre-mRNAにとどまらず,pre-tRNAやpre-rRNAでも起こり,Uの挿入以外にもUの削除や塩基の変換(C→U,U→C,U→A,A→Ⅰなど)もある2)。RNAエディティングの機構で最も重要な点は,RNA配列上のどこに挿入・欠失するか,あるいはどの残基を変換するかを正確に識別することである。キネトプラストの場合は低分子のRNA(ガイドRNA)が,哺乳類の場合は特異的なタンパクが識別している。本稿では,最近われわれのグループで解析の進んだクロロプラストの例について述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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