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特集 RNA
RNA酵素は生命の謎解きをできるのか
著者: 田中照通1 菊池洋1
所属機関: 1豊橋技術科学大学工学部生物基礎工学大講座
ページ範囲:P.136 - P.141
文献購入ページに移動 触媒機能を有するRNA,すなわちリボザイム(ribozyme)の発見はそれまでの分子生物学の概念を一転させたといっても過言ではない。最初はテトラヒメナや植物ウイルスにおいて見つかった例外的な現象にすぎなかったRNA酵素であるが,試験管内において多種多様な機能を有するものが比較的簡便に選択取得できることが明らかになるにつれて,RNAが触媒機能を有するという現象が当然のこととして世に受け入れられるようになってきた。RNAは生命現象の根幹を抑える要の分子である。タンパク質合成の場を提供するrRNA然り,遺伝情報の担い手であるmRNA然り,アミノ酸の運び手であるtRNA然りである。また,まだ名前すら付けられていないRNAも生体内には多々存在するといわれる。RNAの研究は必ず生命現象の根幹へと返ってくる。本章ではRNAを巡る話題の中からRNA酵素とRNAを切断する酵素についていくつか紹介する。
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