文献詳細
回想
文献概要
定年の制度も変わるし,独立法人化の本格化が議論されていた2001年の3月,東京大学の古い制度の最後の教官として定年を迎えた。東京では,分子発生学講座という,日本では確か初めての呼び名で,動物学第2講座を運営することにしてもらって,12年間,勤務した。東大を辞し,福岡の田舎で,90歳の両親とほとんど毎週やってくる3人の孫の世話をしながら,結構時間に追われていたそんな折に,この“回想”の原稿執筆のチャンスが与えられた。九大助教授の8年,助手の7年,ニューヨーク留学の2年,武田薬品工業KK生物研究所の3年,学術振興会奨励研究員の1年,そのさらに5年も前,というのがここで回想すべきその時代だ。
私にとって,あの頃は主任教授の川上泉先生,実質的な研究指導の山名清隆先生,その山名先生の先生だった柴谷篤弘先生,それに当時広島大学で柴谷先生のところの助教授だった大沢省三先生,それに当時名古屋大学教授だった三浦謹一郎先生(九大の同期で,現弘前大教授の武藤晃君の先生だという縁で)の時代だった。国外では,カーネギー研究所のDonald D. Brown,Igor B. Dawid,ケンブリッジ大学のJohn B. Gurdon,Hugh Woodland博士たちがカエル胚の核酸研究を始めた頃のことである。
私にとって,あの頃は主任教授の川上泉先生,実質的な研究指導の山名清隆先生,その山名先生の先生だった柴谷篤弘先生,それに当時広島大学で柴谷先生のところの助教授だった大沢省三先生,それに当時名古屋大学教授だった三浦謹一郎先生(九大の同期で,現弘前大教授の武藤晃君の先生だという縁で)の時代だった。国外では,カーネギー研究所のDonald D. Brown,Igor B. Dawid,ケンブリッジ大学のJohn B. Gurdon,Hugh Woodland博士たちがカエル胚の核酸研究を始めた頃のことである。
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