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文献詳細

雑誌文献

生体の科学53巻4号

2002年08月発行

特集 一価イオンチャネル

G蛋白質制御カリウムチャネルの活性調節メカニズム

著者: 石井優1 倉智嘉久1

所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科情報薬理学教室

ページ範囲:P.262 - P.267

文献概要

 G蛋白質制御カリウムチャネル(G protein-gated K channel:KG)は,三量体G蛋白質のβγサブユニットが直接結合することにより活性化される内向き整流性カリウムチャネル(Inward rectifier K channel:Kir)である(図1A)1,2)。心臓ではKGチャネルは洞房結節と心房筋に存在する。アセチルコリンがムスカリン性(m2)受容体に結合すると,三量体G蛋白質のαサブユニット上でGDP-GTP交換反応が起こり,Gα-GTPとGβγへ解離する。遊離されたGβγサブユニットによってKGチャネルが活性化され,膜を過分極させることにより徐脈を惹起する。KGチャネルはまた中枢神経系にも存在し,GABAやopioidなどの抑制性神経伝達物質の刺激による遅延性抑制性シナプス後電位(slow inhibitory post-synaptic potential:slow IPSP)を形成している。また,KGチャネルは内分泌細胞にも存在し,ホルモンの開口分泌を抑制する働きを担っている。本稿ではまずKGチャネルの分子実体や活性化の分子機構などについて概説し,その後各組織でのKGチャネルの生理的な活性調節メカニズムについて最新の知見を交えて概説する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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