icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学53巻4号

2002年08月発行

文献概要

特集 一価イオンチャネル

ナトリウムチャネルタンパク細胞質側リンカーの構造と性質

著者: 黒田義弘1 宮本和英2 中川照眞2

所属機関: 1京都大学大学院薬学研究科製剤機能解析学分野 2京都大学大学院薬学研究科薬品機能解析学分野

ページ範囲:P.295 - P.303

文献購入ページに移動
 1 研究の背景
 ナトリウム(Na)チャネルは,神経および心筋,骨格筋といった筋肉の興奮性細胞に存在する膜貫通型糖タンパク質であり,αおよびβサブユニットから構成される。その機能は,分子量250kD~300kDからなるαサブユニットに主として存在し,膜電位に依存してゲートを開き,細胞外のNaイオンを細胞内に取り込む。ゲート機構は2段階に行われていることが電気生理学実験から証明されている。すなわち,興奮性膜細胞への刺激に伴って脱分極が引き起こされ,Naイオン選択フィルターの機能を持つゲート(m-gate)が開き,所定量のNaイオンが細胞内に流入した後,細胞質側に存在する不活性化ゲート(h-gate)が閉じることによりNaイオンの細胞内への流入を停止し,元の静止状態へと戻る。
 アミノ酸配列から推定される構造は,相同性の高い四つのドメイン(Ⅰ~Ⅳ)から成り立ち,各ドメインは6本の膜貫通ヘリックス(セグメント1;S1~セグメント6;S6)から構成される1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?