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文献詳細

雑誌文献

生体の科学53巻5号

2002年10月発行

文献概要

特集 加齢の克服―21世紀の課題 第2部 総説 Ⅰ.自然老化

老化と免疫機能

著者: 廣川勝昱1

所属機関: 1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科分子免疫病理学

ページ範囲:P.384 - P.393

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 生物は次世代を担うに充分な数の子孫をつくり終えると,早晩寿命を迎えて死ぬ。鮭のように生殖を終えるとすぐ死ぬものもあれば,ヒトのように生物としての役目が済んでから何十年と生きながらえるものも少なくない。老化とは生殖の役目を終えた個体が死ぬまでの過程であり,形態学的,生理学的および分子的な衰退現象である。一方,加齢変化とは個体の誕生以降の時間的経過に伴う変化を意味するが,生殖期を終えた個体の場合は加齢も老化も同じような意味で使われることが多い。この老化あるいは加齢に伴う衰退現象は生体防御系にも起こる。
 生体防御は,主として物理的バリヤーとして働く皮膚・粘膜系,マクロファージ・好中球・NK(ナチュラルキラー)細胞などの自然免疫系,そしてリンパ球が主役となる獲得免疫系の三つの系からなる。これら三つの系のいずれも加齢変化を示すが,その中でも獲得免疫系の変化が著しく,生体防御系の加齢変化の中心となっている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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