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特集 加齢の克服―21世紀の課題 第2部 総説 Ⅰ.自然老化
寿命に関する遺伝子―クロック-1ノックアウトマウスの解析
著者: 中井大輔1 高橋真由美1 本田修二2 野尻英俊1 清水孝彦1 白澤卓二1
所属機関: 1東京都老人総合研究所分子老化 2東京都老人総合研究所老化レドックス制御
ページ範囲:P.394 - P.401
文献購入ページに移動では,なぜclk-1が欠損するとリズムの遅い,長寿の表現型が出現するのであろうか。線虫,酵母S. cerevisiae(ホモログはcoq 7/cat5)の研究から,クロック-1遺伝子(coq 7/clk-1)は生物のエネルギー合成に必要な補酵素ユビキノン(CoQ)を合成するのに必須であることが明らかにされた3-5)。ユビキノン生合成経路の中でもcoq 7/clk-1はデメトオキシユビキノンの3位に水酸基を付加するヒドロキシレース活性の段階に必須である(図1)。合成したユビキノンはミトコンドリアの酸化的リン酸化に必須で,最終的にATP産生をもたらす。この酸化的リン酸化は電子伝達系と共役しており,ユビキノンは電子輸送体である(図2)。
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