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文献詳細

雑誌文献

生体の科学53巻5号

2002年10月発行

文献概要

特集 加齢の克服―21世紀の課題 第2部 総説 Ⅱ.病的老化

アルツハイマー病のワクチン療法

著者: 田平武1

所属機関: 1国立療養所中部病院長寿医療研究センター

ページ範囲:P.455 - P.460

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 アルツハイマー病の脳では老人斑と神経原線維変化,それに神経細胞の変性・脱落がみられるのが特徴である。中でも老人斑に沈着するβアミロイドは病態形成の中心的役割を果たしていると考えられ,アルツハイマー病の発症機序の解明,予防・治療法の開発はβアミロイドを中心に研究が進められてきた。その中から,脳に老人斑を形成するマウスをβアミロイドの主成分であるAβペプチドで免疫すると,すでに沈着したβアミロイドが除去され,新たな沈着が防止されることがわかり,ワクチン療法という概念が生まれた。ワクチン療法というのはウイルスや細菌感染に対し,当該抗原であらかじめ人為的に免疫記憶を成立させ,感染に対する免疫防御機構を強化する手段であり,用語としては正しくないが,ここでは第一開発研究者が用い,また一般的に広く用いられているので,ワクチン療法という言葉を使う。以下,アルツハイマー病のワクチン療法について,ヒトへの応用結果,将来の展望を含め解説する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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