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文献詳細

雑誌文献

生体の科学53巻5号

2002年10月発行

文献概要

特集 加齢の克服―21世紀の課題 第2部 総説 Ⅱ.病的老化

アルツハイマー病アミロイドセクレターゼ種間の相互関係と創薬

著者: 石浦章一1

所属機関: 1東京大学大学院総合文化研究科生命環境科学系

ページ範囲:P.466 - P.472

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 アルツハイマー病は21世紀の長寿社会が直面する大きな社会問題になりつつあり,この予防と治療の確立は医学の中でも最重要課題となっている。その直接の標的となっているのが,アミロイドセクレターゼである。
 アルツハイマー病(家族性,孤発性)の脳には共通して,老人斑という銀染色陽性の物質が認められる。老人斑の主成分は,アミロイド前駆体タンパク質(APP)に由来するアミロイドβタンパク質(Aβ)と呼ばれる42-43アミノ酸からなる不溶性のペプチドである。このAβが長い間かかって沈着して神経細胞が死ぬため,その結果として精神機能が損なわれると考えられている。通常,APPはαセクレターゼによってAβの真ん中で切断を受け,N末端側の部分が細胞外に分泌される。しかし,老化に伴って,Aβの両端を切断するβとγセクレターゼ活性が強くなり,沈着性のAβが作られるようになる。このα,β,γの3種のセクレターゼがアルツハイマー病発症の鍵を握っているのである1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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