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文献詳細

雑誌文献

生体の科学53巻6号

2002年12月発行

文献概要

特集 ゲノム全解読とポストゲノムの問題点

ヒトゲノム解読のロゼッタストーン―ゼブラフィッシュとフグのゲノム情報

著者: 岡本仁1

所属機関: 1理化学研究所脳科学総合研究センター発生遺伝子制御研究チーム

ページ範囲:P.551 - P.559

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 ヒトを含む複数の生物のゲノムの全塩基配列がほぼ決定され,焦点は,そこに何が書き込まれているのかをいかにうまく理解するかに移りつつある。では,何がわかれば本当の意味でゲノムが“解読”されたといえるのだろうか。筆者は,そのためには以下のような項目がみたされる必要があると考えている。(1)どこに遺伝子があるのかがわかること,(2)それぞれの遺伝子の生理的機能がわかること,(3)それぞれの遺伝子と,その機能不全による発生異常や疾病との関連がわかること,(4)それぞれの遺伝子の制御領域がわかること,(5)どの遺伝子が,どの遺伝子によって制御されているのかがわかる,すなわち遺伝子同士の機能的上下関係(epistasis)がわかること,(6)進化の過程でのゲノム構成の変化と動物の多様化との関連がわかること。
 この総説では,脊椎動物の中で進化においてヒトと最も離れているサカナのゲノム解析が,上に述べたような課題の解決にどれほど重要な貢献をできるのかについて解説する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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