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実験講座
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生体の機能を分子レベルからネットワークレベルまで,同じ条件で解析できたらどんなに素晴らしいか,と考えている人は多いと思う。今回は,その要望にある程度答えられる実験系を紹介する。それは,摘出脳ブロック標本である。この標本は,調べたいと思う神経回路を保持した形で,目的に合わせて切り出して研究に使用する(しかし,これには少しばかり制限がつくのであるが)。
この標本の先駆的な研究は,大塚正徳先生らによる新生ラット摘出脊髄標本であった。後根刺激に応じて脊髄からSubstance Pが放出されることを,この標本を用いて明らかにされたのである1)。その後,摘出脳幹-脊髄標本において呼吸活動が記録できることが発表された2)。電気生理学的,薬理学的アプローチに優れ,この標本によって,呼吸リズム形成機構3-6),中枢性化学受容7-9),肺伸展受容器反射10,11),呼吸性ニューロンのネットワーク解析12,13)といった呼吸の中枢メカニズム解明に多大な貢献をもたらすことになった。さらに,摘出脊髄標本を用いた歩行運動5,14,15),摘出脳幹-胸髄標本を用いた血圧調節中枢の研究16,17),摘出脳幹-脊髄標本を用いた咀嚼リズム形成機構18),摘出脊髄-尾標本を用いた痛み反射機構19),三叉神経-脳幹-脊髄標本を用いた痛み記憶に関する研究20),橋-延髄-脊髄標本による青斑核ニューロンの特性21)など多岐に渡って応用されている。
この標本の先駆的な研究は,大塚正徳先生らによる新生ラット摘出脊髄標本であった。後根刺激に応じて脊髄からSubstance Pが放出されることを,この標本を用いて明らかにされたのである1)。その後,摘出脳幹-脊髄標本において呼吸活動が記録できることが発表された2)。電気生理学的,薬理学的アプローチに優れ,この標本によって,呼吸リズム形成機構3-6),中枢性化学受容7-9),肺伸展受容器反射10,11),呼吸性ニューロンのネットワーク解析12,13)といった呼吸の中枢メカニズム解明に多大な貢献をもたらすことになった。さらに,摘出脊髄標本を用いた歩行運動5,14,15),摘出脳幹-胸髄標本を用いた血圧調節中枢の研究16,17),摘出脳幹-脊髄標本を用いた咀嚼リズム形成機構18),摘出脊髄-尾標本を用いた痛み反射機構19),三叉神経-脳幹-脊髄標本を用いた痛み記憶に関する研究20),橋-延髄-脊髄標本による青斑核ニューロンの特性21)など多岐に渡って応用されている。
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