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文献詳細

雑誌文献

生体の科学54巻1号

2003年02月発行

文献概要

座談会に関連して

F1-ATPaseのステップ回転―ATP駆動の分子機械が働く仕組み

著者: 木下一彦1 足立健吾1 伊藤博康2

所属機関: 1岡崎国立共同研究機構統合バイオサイエンスセンター 2浜松ホトニクス(株)筑波研究所

ページ範囲:P.36 - P.40

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 たんぱく質の分子は,たった1個だけでも立派に働くので,分子機械と呼ばれる。例えば,図1に示してあるのは1個の回転モーター分子で,中央上部に突き出ている黒っぽい棒状の部品(サブユニット)が,それを取り囲む六つの灰色の部品の中で回る。われわれの体の中には,この分子モーターがたくさんあり,くるくると回り続けている。原子が縦・横・奥行きそれぞれ数十個並んだ塊がたんぱく質の分子。こんなに小さな分子が,たった1個だけで働くのである。

 この回転分子モーターは,F1-ATPaseないしF1(エフワン)と呼ばれている。体内では,回転により,生体内のエネルギー通貨であるATPを化学合成している。回転による化学合成とは,いったいどういう仕掛けなのだろうか。反対方向に回るときには,ATPを分解して,そのエネルギーを使って文字通りモーターとして働くのだが,合成の時と同じ仕掛けを使うのだろうか。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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