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文献詳細

雑誌文献

生体の科学54巻2号

2003年04月発行

文献概要

解説

個体発生と酵素多型―アフリカツメガエルのアルドラーゼを中心に

著者: 塩川光一郎1 梶田恵理2 堀勝治3

所属機関: 1第一福祉大学 2東京大学大学院総合文化研究科 3佐賀短期大学

ページ範囲:P.152 - P.157

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 同一の生物種にあって,本質的に同一の反応を行う酵素タンパク質が複数個ある場合,これを酵素レベルの多型(ポリモーフィズム)すなわち,酵素多型と呼び,その多型を示す酵素タンパク質のアミノ酸の配列が異なる場合,そのそれぞれを互いに他に対して,アイソザイム(イソ酵素)と呼んでいる。

 酵素多型の現象については,1950年代の初めにすでにエステラーゼなど,多くの酵素で知られていたが,当時はまだ酵素多型という概念がなく,抽出・精製の過程における何らかの修飾の結果であろうと考えられていた。ところが,Johns Hopkins大学のClement L. Markertは電気泳動的に異なるマウスの乳酸デヒドロゲナーゼ(乳酸脱水素酵素;LDH:lactate dehydrogenase)について詳細な研究を行い,これが同じような機能をもつサブユニット分子の組み合わせによって生ずる酵素多型によることをつきとめ,1959年,同じ反応を行う一群の酵素タンパク質をアイソザイムと呼ぶことを提案した1)

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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