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文献詳細

雑誌文献

生体の科学54巻3号

2003年06月発行

文献概要

連載講座 個体の生と死・28

思春期における精神の発達

著者: 吉川徹1 橋本大彦1

所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科児童精神医学分野

ページ範囲:P.238 - P.244

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Ⅰ. 思春期の精神発達

 思春期は人間の一生涯にわたる発達過程の中においても大きな変化の見られる時期である。第二次性徴を迎え,知的な能力も大きく発達する。心理社会的にも親との関係が変化し,友人との関わりも質,量ともに増大してゆく。一方でこうした変化には非常な困難を伴い,子供にとっては危機の時期であり心身症や精神疾患の好発時期でもある。本稿では発達的観点からみた代表的な思春期に関する研究を紹介し,その上で現代の思春期精神科臨床でよく見られる疾患,問題について述べていきたい。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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