icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学54巻4号

2003年08月発行

文献概要

特集 ラフトと細胞機能

ラフトマイクロドメインとシグナリング

著者: 清河信敬1 片桐洋子1 藤本純一郎1

所属機関: 1国立成育医療センター研究所発生・分化研究部

ページ範囲:P.272 - P.277

文献購入ページに移動
 脂質二重層である細胞膜の構造は均質ではなく,局所的に特定の脂質や蛋白が集積して機能的なマイクロドメインを形成し,1)細胞接着,2)細胞膜輸送,3)刺激伝達などの様々な細胞現象に関与していると考えられている1)。このようなドメイン構造の概念は1970年代の始めにすでにその原形となるモデルが提唱されており,その後多くの発見とともに変遷し2,3),現在の“脂質特性の差に基づいて細胞膜上で特定の蛋白のみを局在化させる分子装置”という概念に発展してきた。このドメイン構造は,その概念確立の過程で様々な名称で呼ばれてきたが3),近年は“細胞膜上で筏のように浮かんだプラットフォーム”をイメージした“lipid rafts(ラフト)”という呼称が最も一般的なものとして定着しつつある4)。しかし,後述のように細胞膜上には構造,性格や機能の異なる多様なマイクロドメインが存在すると考えられることから,これらすべてを包括する名称として“ラフト”を用いることには異論もある3)。また,その構造や機能の詳細については未解明な部分も多い。本稿ではこの“ラフト”の刺激伝達への関与について概説し,今後解明が期待される問題点について言及する。

参考文献

(Tokyo) 118:1091-1103, 1995
269:1398-1399, 1995
71:219-230, 2001
387:569-572, 1997
1:31-39, 2000
11:265-269, 1999
147:447-461, 1999
190:1549-1560, 1999
71:261-279, 2001
404:999-1003, 2000
191:1591-1604, 2000
169:2813-2817, 2002
337:591-597, 1999
92:5087-5091, 1995
272:29947-29953, 1997
273:9130-9138, 1998
273:35153-35160, 1998
274:35278-35282, 1999
28:1260-1268, 2000
273:26001-26007, 1998
275:5832-5838, 2000
261:2434-2440, 1986
59:234-240, 1999
256:74-82, 2000
12:35-41, 1991
254:1016-1019, 1991
20:356-361, 1999
21:2-7, 2000
166:5567-5577, 2001
158:5757-5764, 1997
7:705-708, 1997
275:34701-34709, 2000
271:9690-9697, 1996
272:4276-4280, 1997
10:393-396, 2000
2:582-592, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら