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特集 ラフトと細胞機能
プリオン病とラフト
著者: 逆瀬川裕二1 八谷如美1 金子清俊1
所属機関: 1国立精神・神経センター神経研究所疾病研究第七部
ページ範囲:P.316 - P.320
文献購入ページに移動プリオン病はヒトおよび動物における神経変性疾患の一群の呼称であり,プリオン蛋白がその病因に関与することが明らかにされてきている2)。この疾患群には,ヒトにおけるクールー(Kuru),クロイツフェルト-ヤコブ病(CJD),ゲルストマン症候群(GSS),家族性致死性不眠症(FFI),ヒツジにおけるスクレイピー,前述の牛海綿状脳症(BSE,いわゆる狂牛病),伝播性ミンク脳症(TME)などが挙げられる(表1)。この中で,スクレイピーが最も古くから認識されていたこともあり,現在ではヒツジのみならず,感染性を持つプリオン蛋白を一般にPrPスクレイピー(PrPSc)と呼称している。プリオン病には感染性および遺伝性という二つのタイプが知られているが,両者が重複する場合もある。感染症でもあり遺伝病でもあるという,一見極めて特異的に思われた病像が,研究の進展に伴い病因としてより普遍的である可能性も呈して来ている。
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