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特集 創薬ゲノミクス・創薬プロテオミクス・創薬インフォマティクス 第2部 総説 Ⅰ 創薬ゲノミクス
ケミカルゲノミクスによる創薬戦略
著者: 長谷川慎1 水上民夫1
所属機関: 1長浜バイオ大学バイオサイエンス学部
ページ範囲:P.375 - P.379
文献購入ページに移動1990年に活動を開始したヒトゲノムプロジェクトは,途中Celera Genomics社との競合もあり,初期の計画より早く,2003年4月にヒトゲノム解読完了の宣言を行った。DNA二重螺旋構造の発見後50年の節目の年に,科学者は高品質のデータ精度をもつヒトDNA塩基配列を手にしたわけである。
ヒトゲノムプロジェクトを牽引した米国ヒトゲノム研究所(NHGRI)のCollinsらは同月発行された「Nature」誌に,ゲノミクス研究の将来ビジョンを発表しているが,そこにはゲノムの構造・機能の解明を究極の目的とした生物学上の挑戦課題,社会貢献への活用のための挑戦課題と並んで,解読されたヒトゲノム配列情報を人類の健康・福祉向上に活用するために,今後挑戦すべき課題が6項目に分けてまとめられている(表1)1)。
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