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特集 創薬ゲノミクス・創薬プロテオミクス・創薬インフォマティクス 第2部 総説 Ⅱ 創薬プロテオミクス
質量分析を基盤としたプロテオミクス解析技術とその創薬プロテオミクスへの応用
著者: 谷口寿章1
所属機関: 1徳島大学分子酵素学研究センター酵素分子生理学部門
ページ範囲:P.413 - P.419
文献購入ページに移動 昨年度のノーベル化学賞が核磁気共鳴(NMR)と質量分析(MS)の生体高分子構造解析への応用研究に対して与えられ,後者のテーマでは日本から田中耕一さんが共同受賞したことは,まだ記憶に新しい1)。一方で,今年4月にヒトゲノム配列の完成版が発表された。2年前の『概要版』の発表時に比べると,マスコミの対応は静かなものであったが,概要版に比して得られた配列の完成度は高く,10年以上の歳月と多額の国家予算を費やしたヒトゲノム計画の目標がほぼ達成されたと考えてよい2)。現在注目されている質量分析を基盤としたプロテオミクス解析技術は,この生体高分子(=タンパク質)の質量分析と,ゲノム解析の結果として充実した,遺伝子配列データベースの両者を利用することで確立された技術である3)。この技術を用いることで,細胞に含まれる数千種類のタンパク質を,一挙に同定することができる。本稿では,プロテオミクスとはそもそも何か,現在使用されている解析技術は,質量分析とゲノム配列の何をどのように利用し何ができるか,それが創薬にどのように役立つかを考える。
参考文献
1)谷口寿章:パリティ 17:12,2002
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3)伊藤隆司,谷口寿章(編):ポストシークエンスのゲノム科学,第3巻-プロテオミクス,中山書店,東京,2000
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