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特集 創薬ゲノミクス・創薬プロテオミクス・創薬インフォマティクス 第2部 総説 Ⅳ 創薬への利用
HER2を分子標的としたハーセプチン®の開発とテーラーメイド治療
著者: 仁平新一1
所属機関: 1中外製薬(株)臨床開発第二本部
ページ範囲:P.463 - P.468
文献購入ページに移動 癌は複数の遺伝子の異常・変異が蓄積した結果として発生すると理解されているが,膨大な遺伝子情報の集積・解析を通じて,癌の発生,増悪に関する分子レベルでのメカニズムの理解が,近年急速に進んできている。分子レベルでの発癌メカニズムの解明により,特定の遺伝子産物を分子標的とした抗癌剤の創薬の可能性が開けてきた。その意味で,抗癌剤の領域は,個々の患者での遺伝子異常・変異の理解に基づいたテーラーメイド薬物療法の確立が早期に期待される領域のひとつと考えられる。実際,いくつかの分子標的抗癌剤の候補化合物が現在,開発段階にあり,一部は臨床試験段階で明らかな有用性と安全性が確認されている。
本稿では,ヒト化抗HER2モノクローナル抗体であるハーセプチン(一般名:トラスツズマブ)について,その標的分子および効果予測因子であるHER2の生物学的意義,本剤の生化学的特徴,作用機序,臨床試験結果,患者選択と検査方法,そしてテーラーメイド医薬品の開発におけるいくつかの留意点について考察したい。
本稿では,ヒト化抗HER2モノクローナル抗体であるハーセプチン(一般名:トラスツズマブ)について,その標的分子および効果予測因子であるHER2の生物学的意義,本剤の生化学的特徴,作用機序,臨床試験結果,患者選択と検査方法,そしてテーラーメイド医薬品の開発におけるいくつかの留意点について考察したい。
参考文献
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