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実験講座
蛍光スペクトル顕微鏡
著者: 平岡泰1 志見剛1 原口徳子1
所属機関: 1通信総合研究所関西先端研究センター
ページ範囲:P.562 - P.569
文献購入ページに移動蛍光顕微鏡法の特長は,特定の分子だけを選択的に蛍光で染めて観察するため分子特異性が高く,細胞という複雑な構造の中で,特定の分子の挙動を解析できる点である。その上,生きた細胞での観察も可能なために,その分子がいつ,どこにあるかの,そしてその局在がどのように変化していくかを生物(または細胞)を生かした状態で知ることができる。GFP(green fluorescence protein)の発見は,このような蛍光顕微鏡法に革命的な進展をもたらしたといえるだろう。特定のタンパク質をGFPを使って簡単に蛍光標識し,観察することができるようになったのである。一方で,蛍光観察に用いる蛍光顕微鏡装置も大きな発展を遂げた。光学的な改良やソフトウエアの改善が多くなされ,蛍光顕微鏡による生きた細胞での局在解析は誰でもが可能な範囲となってきた。
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