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文献詳細

雑誌文献

生体の科学55巻1号

2004年02月発行

文献概要

特集 ニューロンと脳

抑制性ニューロンの分化と回路形成

著者: 小幡邦彦1

所属機関: 1理化学研究所脳科学総合研究センター神経回路メカニズム研究グループ

ページ範囲:P.20 - P.25

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 GABAが神経伝達物質である抑制性ニューロンの発生に関して,最近の大きな知見は,大脳新皮質では,興奮性ニューロンが側脳室壁の脳室帯(ventricular zone;VZ)で生み出されるのに対し,GABAニューロンは線条体原基のganglionic eminenceで発生し,新皮質原基を水平移動(tangential migration)して新皮質に配布されることがあきらかになったことである。

 少し前のもう一つの知見は,小脳皮質分子層の抑制性ニューロンであるバスケット細胞,ステレート細胞は第4脳室上壁のVZで生まれて,白質を分裂し続けながら分子層まで移動することがわかったことである。これらのニューロンは,それまで顆粒細胞と同じ起源であって,外顆粒層で生まれるとみなされていたが,これがくつがえされて,プルキンエ細胞,ゴルジ細胞を含めて小脳皮質の抑制性ニューロンはすべて同じ起源をもつことになる。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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