文献詳細
特集 ニューロンと脳
脳の神経回路形成の臨界期
著者: 一坂吏志1 畠義郎2
所属機関: 1鳥取大学医学部生命科学科生体情報機能学講座神経生物学分野 2鳥取大学大学院医学系研究科機能再生医科学専攻生体高次機能学分野
ページ範囲:P.26 - P.32
文献概要
臨界期に脳内で何が起きているのかという点は視覚系について特に広く研究されてきた。ヒトの乳幼児の視力は生後数ヵ月の間に急速に発達し,その後数年かかって成人と同等になる。しかし,白内障などにより正常な視覚入力が得られないと視機能の発達は妨げられる。乳幼児期に治療を行い視覚入力を改善すると,視機能は急速に発達するが,成人になってから眼を治療しても視機能は十分回復しない1)。このことから,視機能の発達には生後初期の視覚経験が重要な役割を担っていることがわかる。
参考文献
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