文献詳細
文献概要
特集 ニューロンと脳
脳回路を作る遺伝子制御
著者: 山森哲雄1
所属機関: 1岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所種分化機構第一部
ページ範囲:P.43 - P.49
文献購入ページに移動 神経系を構成する遺伝子は,体の他の組織と同じものであり,一個の受精卵から生じた細胞が種々の遺伝子誘導を受けた結果,固有の神経やグリア細胞に分化する。分化した細胞は,軸索を伸長し標的器官と神経結合を完成することによって,神経系を形成する。従って,こうした神経回路の形成は,基本的には遺伝的にプログラムされた一連の遺伝子発現のカスケードによって制御されていると考えられる。近年,ショウジョウバエや脊髄をモデル系として,誘導シグナルによる一連の神経回路形成の全体像が次第に明らかになってきた。無脊椎動物の神経系と哺乳類の神経系の両者に共通の機構は多く,ショウジョウバエと同様の機構でかなりの程度,哺乳類の脳回路の形成も説明ができると考えられるが,哺乳類脳形成に固有な機構があることも確かである。本稿では,哺乳類の脳回路を作る遺伝子発現研究の最近の進歩を紹介する。
参考文献
3:279-302, 1980
1:20-29, 2000
425:926-933, 2003
38:581-596, 2003
4:1-9, 1990
274:1109-1115, 1996
384:630-634, 1996
12:15-20, 1996
9)Kuhlenbeck H:The Central Nervous System of Vertebrates, vol. 3, part Ⅱ, Karger, Berlin, 1973
16:472-479, 1993
121:3923-3933, 1995
266:247-268, 1987
21:445-477, 1998
14)Brodmann K:Vergleichende Lokalisationslehre der Grosshirnrinde in ihren Prinzipien dargestellt auf Grund des Zeelenbaues Barth, Leipzig, 1909
241:170-241, 1988
12:400-406, 1989
362:636-638, 1993
362:632-635, 1993
84:3921-3925, 1987
10:73-90, 1990
89:8879-8883, 1992
9:433-477, 1997
285:906-909, 1999
19:10877-10885, 1999
297:1660-1663, 2002
3:423-432, 2002
294:1071-1074, 2001
288:344-349, 2000
3:679-686, 2000
368:460-463, 1994
242:1437-1441, 1988
203:227-256, 1981
190:307-337, 1994
13:297-307, 2001
76:1455-1464, 2001
88:74-82, 2001
337:114-116, 2002
38)山森哲雄:生体の科学 41:525-532,1990
掲載誌情報