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文献詳細

雑誌文献

生体の科学55巻1号

2004年02月発行

文献概要

特集 ニューロンと脳

脳回路を作る遺伝子制御

著者: 山森哲雄1

所属機関: 1岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所種分化機構第一部

ページ範囲:P.43 - P.49

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 神経系を構成する遺伝子は,体の他の組織と同じものであり,一個の受精卵から生じた細胞が種々の遺伝子誘導を受けた結果,固有の神経やグリア細胞に分化する。分化した細胞は,軸索を伸長し標的器官と神経結合を完成することによって,神経系を形成する。従って,こうした神経回路の形成は,基本的には遺伝的にプログラムされた一連の遺伝子発現のカスケードによって制御されていると考えられる。近年,ショウジョウバエや脊髄をモデル系として,誘導シグナルによる一連の神経回路形成の全体像が次第に明らかになってきた。無脊椎動物の神経系と哺乳類の神経系の両者に共通の機構は多く,ショウジョウバエと同様の機構でかなりの程度,哺乳類の脳回路の形成も説明ができると考えられるが,哺乳類脳形成に固有な機構があることも確かである。本稿では,哺乳類の脳回路を作る遺伝子発現研究の最近の進歩を紹介する。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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