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文献概要
連載講座 個体の生と死・29
青年中期の対人関係の発達
著者: 後藤宗理1
所属機関: 1名古屋市立大学大学院人間文化研究科発達心理学研究室
ページ範囲:P.77 - P.81
文献購入ページに移動Ⅰ. 青年期の心理社会的危機
最初に青年期に注目した研究者はHall1)である。約100年前に社会の産物として大人でもなく子どもでもない中間的な存在として青年期をとりあげるようになった。その意味では,青年は社会のなかであいまいな立場に置かれてきたことが特徴である。
青年期についての代表的な理論家として,Erikson2)をあげることができる。これまでにも本誌連載講座3)のなかでEriksonの心理社会的危機や漸成的図式が取り上げられているように,彼は人生を八つの段階に分け,それぞれの時期に解決すべき課題をあげてきた。青年期の心理社会的危機は「同一性 対 同一性拡散(あるいは役割の混乱)(Identity versus Identity Diffusion)」である。
最初に青年期に注目した研究者はHall1)である。約100年前に社会の産物として大人でもなく子どもでもない中間的な存在として青年期をとりあげるようになった。その意味では,青年は社会のなかであいまいな立場に置かれてきたことが特徴である。
青年期についての代表的な理論家として,Erikson2)をあげることができる。これまでにも本誌連載講座3)のなかでEriksonの心理社会的危機や漸成的図式が取り上げられているように,彼は人生を八つの段階に分け,それぞれの時期に解決すべき課題をあげてきた。青年期の心理社会的危機は「同一性 対 同一性拡散(あるいは役割の混乱)(Identity versus Identity Diffusion)」である。
参考文献
1)Hall GS:Adolescence:Its psychology and its relations to physiology, anthropology, sociology, sex, crime, religion, and education, Appleton/New York, 1904
2)エリクソンEH(仁科弥生訳):幼児期と社会1,みすず書房,東京,1980
3)吉川徹,橋本大彦:生体の科学 54:238-244,2003
3:551-558, 1966
5)Ausubel DP:Theory and problems of adolescent development, Grune & Stratton/New York, 1954
6)久世敏雄,平石賢二:名古屋大学教育学部紀要 39:77-88,1992
7)落合良行・佐藤有耕:教心研 44:11-22,1996
8)Hollingworth LS:The psychology of the adolescent, Appleton-Century/New York, 1928
9)落合良行:筑波大学心理学研究 17:51-60,1995
10)落合良行・佐藤有耕:教心研 44:55-65,1996
11)榎本淳子:教心研 47:180-190,1999
12)榎本淳子:教心研 48:444-453,2000
13)久世敏雄,速水敏彦:名古屋大学教育学部紀要 21:1-11,1974
14)久世敏雄(編):青年期の社会的態度,p 196,福村出版,東京,1989
15)後藤宗理:現代のエスプリ 427:15-16,2003
16)文部科学省:高校生の就職問題に関する検討会議報告書(http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/13/02/010201a.htm)
17)労働省(編):労働白書平成12年版,日本労働研究機構,東京,2000
18)下村英雄:現代のエスプリ 427:32-44,2003
掲載誌情報