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特集 アダプタータンパク
ドッキング蛋白Shcの神経系における役割
著者: 森望1
所属機関: 1国立長寿医療センター研究所老化制御研究部
ページ範囲:P.103 - P.110
文献購入ページに移動細胞膜上に無数に存在するいわゆる受容体型チロシンキナーゼ(RTKs)や細胞内のSrc系チロシンキナーゼなどの直接の基質となるShcは,自己リン酸化されたそれらのキナーゼの活性化体にいち早く結合するドッキング蛋白質である。Pelicciらによる1992年の発見当初は細胞の癌遺伝子として知られたが3),1996年頃から神経系組織で発現するShcホモログの存在が明らかになるにつれて4-7),それらの神経系での新たな機能の解析が進んできている。ここでは,神経系におけるShcの役割という観点から,神経細胞の発達,分化,脳の高次機能,また,神経のストレス応答と脳の老化におけるShcおよびその関連分子の発現と機能を中心にとりまとめる。神経系におけるShcの役割に関連する初期の総説8,9)とShc系分子に関する一般的な総説10,11)も併せて参照されたい。
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