icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学55巻2号

2004年04月発行

文献概要

特集 アダプタータンパク

Scaffold分子Gab2によるT細胞受容体シグナル伝達の負の制御

著者: 山崎晶1 斉藤隆2

所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院遺伝子制御学 2理化学研究所免疫アレルギー科学総合研究センター

ページ範囲:P.151 - P.158

文献購入ページに移動
 Gab2(Grb2-associated binder 2)ファミリーは,Guら,西田らによって単離された,Gab/DOS(daughter of sevenless)ファミリーに属する分子量約97kDのアダプター分子である1,2)。発現は比較的普遍的であり,PHドメイン,複数のプロリンリッチモチーフ,リン酸化チロシンモチーフなどを有し,分子間相互作用に関与する配列を非常に多く含んでいる(図1)。さらに,中央部に存在する特徴的な領域MBD(c-Met binding domain)は,Gab1においてリン酸化されたc-Metと直接結合することが報告されている3)

 Gab1,Gab2は様々なサイトカイン,増殖因子刺激(IL-2,IL-3,IL-15,TPO,EPO,SCF,M-CSF,Flt3lなど)によってリン酸化を受け,PI3キナーゼ,SHP-2などをはじめとして様々な分子と結合し,細胞内分子の足場をなすことから,Scaffoldタンパク,ドッキングタンパクなどと呼ばれる4)。興味深いことに,Gab2は抗原受容体刺激においても強くリン酸化されることから,われわれはTCR下流におけるGab2の機能に注目した。

参考文献

2:729-740, 1998
93:1809-1816, 1999
384:173-176, 1996
94:1029-1033, 2003
5)山崎 晶:臨床免疫 37:515-520,2002
276:45175-45183, 2001
165:4158-4163, 2000
149:1419-1432, 2000
275:31536-31545, 2000
23:2515-2529, 2003
4:110-116, 2003
412:186-190, 2001
99:1866-1869, 2002
192:143-160, 2003
275:26959-26966, 2000
22:231-244, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?