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特集 分子進化学の現在
文献概要
脊椎動物の歴史において,顎の発明は最も初期に生じた一大イベントであった。この構造がどのように得られたのか,そしてそれがのちの進化においてどのように変形し,機能を変えていったのか,それは動物進化の仕組みを理解する上できわめて奥の深い問題を明らかにすると同時に,そこに関わる複雑な遺伝子ネットワークの存在をも明らかにしつつある。本稿では,脊椎動物の顎骨弓を取り上げ,その発生をめぐる論争の歴史や,最近の実験に基づいた新しい学説について紹介する。
参考文献
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