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特集 分子進化学の現在
ゲノム構造から見た鳥類と爬虫類の系統進化
著者: 松田洋一1 梅原千鶴子1
所属機関: 1北海道大学先端科学技術共同研究センター動物染色体研究室
ページ範囲:P.232 - P.240
文献購入ページに移動最近の分子細胞遺伝学の発展によって,染色体の形態や分染パターンの解析に基づく従来の形態学的な染色体の比較研究の上に,DNAという物質的な裏付けをもって進化過程に生じた染色体の構造変化について研究することが可能となった1-3)。つまり,染色体上の遺伝子や特定のDNA配列の分布を調べることによって,染色体に刻まれた進化の歴史を分子レベルで読みとることができるようになった。本稿では,現在急速な進展を遂げている脊椎動物のゲノム進化研究の中で,まだ未解明な部分の多い鳥類と爬虫類に焦点を当て,筆者らのデータを紹介しながら染色体とゲノム構造という観点から鳥類と爬虫類の系統進化について論じてみたい。
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