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文献詳細

雑誌文献

生体の科学55巻4号

2004年08月発行

文献概要

特集 心筋研究の最前線

心筋再生への遺伝子治療

著者: 牧野寛史1 荻原俊男1 森下竜一2

所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科加齢医学講座 2大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学講座

ページ範囲:P.343 - P.345

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 心疾患の治療は薬物療法や血行再建術の発展によって劇的に進歩した。治療法が進歩し救命率が向上する一方,長期的経過をたどって結果的に重症心不全となる症例が増加した。心筋梗塞,心筋炎,心筋症などの心疾患において傷害を受けた心筋組織は再生せず,残存心筋細胞の肥大で心機能を代償するようになるが,線維化などを伴って最終的に心不全に至る。既存の薬物による保存的療法は,主にこの心不全が進展する過程を減弱・遅延させるメカニズムによるものであるから,根治療法ではないといえる。したがって根本的には失われた心筋細胞を補うことが重症心不全の治療には必要となる。心移植はひとつの解決手段であるが,ドナー不足や経済的な事情などから普及するには至っていない。そこで,このような重症例に対して従来の治療戦略とは一線を画した新たな治療として,失われた心筋組織を再生させる治療法の開発が望まれてきた。本稿では,遺伝子治療を用いた心筋組織の再生の試みについてその現状および今後の展開を紹介する。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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