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メタボローム研究をどうすすめるか
著者: 田口良1
所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科分子細胞生物学専攻メタボローム寄付講座
ページ範囲:P.360 - P.367
文献購入ページに移動このメタボロームに関連する研究においては,質量分析法(MS)がその解析手段として極めて有効であることがわかってきた。さらに,2002年のノーベル賞の対象になったエレクトロスプレーイオン化(ESI)やマトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)などのソフトイオン化法の出現と共に,MSの利用方法に一種のパラダイム変換が起ころうとしている。つまり,MSによる分析手法が特定の生理的現象の背後に関与する生体分子を推定する目的で用いられるようになってきた。この解析の特徴はある遺伝子,または生理的,病理的環境などの特定要因の異なった複数の系における,多数の構成分子を網羅的に分析し,そのプロファイルを比較することにより,最も可能性の高い因子を探り出すという考え方に立っている。
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