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文献詳細

雑誌文献

生体の科学55巻5号

2004年10月発行

文献概要

特集 生命科学のNew Key Word 1.遺伝子/遺伝子発現/進化

Necdin―ニューロン分化を制御するインプリント遺伝子

著者: 吉川和明1

所属機関: 1大阪大学蛋白質研究所蛋白質機能制御部門

ページ範囲:P.378 - P.379

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発現と機能

 Necdin(neurally differentiated embryonal carcinoma-derived protein)は,マウス胚性ガンP19細胞を神経分化させた際に誘導される遺伝子産物として発見された1)。マウスとヒトのNecdinは,それぞれ325個と321個のアミノ酸から構成される2)。Necdin mRNAは中枢および末梢神経系の大部分のニューロンに発現しているが,増殖中の神経幹細胞(前駆細胞)やグリア細胞には発現していない3)。Necdinは筋細胞や脂肪細胞などの分裂終了細胞にも発現しているが,ガン化した細胞には発現が認められない。株化された種々のガン細胞にNecdin cDNAを導入すると,増殖が強く抑制される4-6)。また,ニューロブラストーマ細胞にNecdinを強制発現させると,細胞周期制御因子の発現パターンが分化したニューロンの特徴を示すようになる7)。 一方, 培養条件下の知覚神経節ニューロンでは,内在性Necdinの発現を抑制すると,分化できずにアポトーシスを起こす8)。したがって,Necdinはニューロンの増殖抑制と共に,最終分化の誘導と安定化に関わるものと推定される。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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