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文献詳細

雑誌文献

生体の科学55巻5号

2004年10月発行

文献概要

特集 生命科学のNew Key Word 1.遺伝子/遺伝子発現/進化

天然アンチセンス転写産物

著者: 阿部訓也1

所属機関: 1理化学研究所筑波研究所バイオリソースセンター動物変異動態解析技術開発チーム

ページ範囲:P.386 - P.387

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 天然アンチセンスRNAというように,ことさら「天然」という語句を付け加えるのは,遺伝子機能阻害のために利用される人工的なアンチセンスオリゴDNAなどと区別するためで,天然は(naturally occurring)という意味合いを持つ。すなわち,生物自体が本来備え持っている転写産物で,定義としてはある遺伝子(センス遺伝子)をコードするDNA鎖の逆鎖から読まれ,センス鎖と相補的な配列をもつもの,ということができる(図1)。

 このような転写産物の存在は古くからバクテリアなどで知られており,遺伝子発現制御に関与すると考えられていた。また哺乳類でも,X染色体不活性化に重要な役割を持つXist遺伝子の逆鎖から転写されるアンチセンスRNAが発見され,Tsixと名付けられた。さらに,ゲノム刷り込みを受けるIGF2受容体(Igf2r)遺伝子座にもAirと呼ばれる巨大なアンチセンスRNAが存在することが知られている。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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