文献詳細
文献概要
特集 生命科学のNew Key Word 2.核/染色体
BAF―低分子量DNA結合タンパク
著者: 古川和広1 襲田真一1 堀米恒好1
所属機関: 1新潟大学理学部生化学講座
ページ範囲:P.400 - P.401
文献購入ページに移動また,BAFにはウイルスゲノムを宿主ゲノムへインテグレーションさせるインテグレースを活性化する機能もある。その活性化能力は,これまで見つかっている同様な機能を持つ細胞性のタンパク質HMG A1(high-mobility group protein A1)より500倍以上高いことも知られている2)。BAFはタンパク質の構造内にhelix-hairpin-helix構造を持ち,塩基配列には依存せず2本鎖DNAに特異的に結合する特性がある。水溶液中では,ダイマーを形成し異なる2本鎖DNA間を架橋する機能が強く,21塩基対のDNAを用いた解析ではドデカマーの大きな複合体を形成することが示されている3)。宿主細胞性由来の因子であるBAFが,どうしてこのようにレトロウイルスの増殖に寄与するかについてはまだ詳細は明らかではない。
参考文献
掲載誌情報